冬至を乗り切る健康祈願とゆずの関係とは何か?

冬至ゆず

冬至にゆず湯に入る季節の習慣は現在でも残っていますが、ゆず本来の果物としての栄養素や効能つまり、ビタミン豊富で冬の乾燥したお肌に良いとか、ショウガと同様に体を温めて血行を良くする効能があり、ゆず湯につかると寒い時期に多い風邪予防にもなりますし、美容や健康関係の理由からだとイメージしている方が多いと思います。
しかし古くからの歳時記としてそれ以外に「ゆず」と言う果物が何故使われたのか、その興味深い豆知識を紹介します。

冬至とは寒い冬を越す健康祈願を行っていた日

冬は夏に比べると日照時間が短いため、多くの作物が沢山収穫できる季節ではありません。

餌となる虫も冬眠してしまうと、それを食べて生きている野生動物も同じく冬ごもりしていまって中々でてきませんので、必然的に人間たちも狩りも出来なくて食料が減ってしまいます。

その為ハウス栽培等でいつでも農作物が採れなかった昔は、食べ物が足りなくなってしまうのではないかと毎日不安を抱えていたのです。

寒い地方で保存食が多く作られたのは食糧不足を防いで冬を乗り越えるためなのです。

そして、昼間の時間が一番短い冬至を、生命の終わりを告げる日と考えられ、それぞれが厄除けや健康祈願をしてその日を乗り越えていこうと考えていました。

その健康祈願で同じ読み方をする「湯治」と言う言葉とかけて、冬の寒さで冷えた体を温めるために「ゆず湯」に入る習慣が生まれました。

「ゆず」が選ばれた理由とは

ゆずの香りは、その不吉な日の邪気を払うパワーがあるという信仰があった為使われ、融通が利くという言葉ともかけていると伝えられています。

今ではアロマオイルで柑橘系のゆず等は、女性にも大変人気があり、その爽やかな香りにでリラックス効果があるため心の健康を取り戻すパワーにもなります。

更にゆずは冬の季節のトラブルを解消する美容効果も沢山含まれていて、美肌キープに役だったり、インフルエンザが流行しやすい季節に喉の痛み等の症状を抑える鎮痛効果も加えて総合的にゆずが選ばれたのも納得できます。

終わりと始まりを告げる分岐点の冬至

冬至は昼間の時間が一番短い日と言うので、それ以降も日照時間は確かに短いのですが、その日を境に逆に段々昼間の時間が伸びてくる日でもあるのです。

それを命の終わりを告げ、新しく始まる日というお正月を迎えたように、お祝いの儀式を行ったりしました。

寒さは相変わらず2月辺りまで雪が降ったり、とても厳しい冷え込みが続きますが、他にもよく真冬なのに立春と旧暦ではある通り、実際の気候とは少し違いますが、暦の上では太陽の光が長くなるわけですから、今の時代とはズレがありますが季節の節目を大切に考えていた先人の知恵の結晶から生まれたものです。

まとめ

歳時記は今の時代には考えられない厳しい自然環境の中で、健康的な生活を送る為に食材等で改善できる方法を考え、自然との共存をしながら生活の知恵が身に付けられていました。

何でも手に入る現代は、それほど食材が不足する事は少なくなりましたので、スーパーに行けば例え一部の食材の産地で不作であっても、他の地域で作った食材がいくらでも商品として並んでいるからです。

その中でいまだに、昔からのゆず湯に入る習慣が長く残ってきたのは、時代を問わず受け入れられる効果があるからだと思います。

少し関心が湧いてきたと思いますが、冬至だけでなく他の節気に関しても、何故この時期に昔からの習慣が残っているのかを考えると、とても興味深い生活の知恵が分かって、他の国には少ない四季の流れが、多くの海外の方もうらやましく思われる、とても素晴らしいものだと認識できるはずです。